姉との出会いは、今でも鮮明に覚えている。
物心ついた頃には何故か居たのだ。

姉なんだから当たり前?

「お昼はツナ缶ご飯で!」
「おでん買ってきちまったよちくしょう」

大して広くない一戸建て。
それが我が家であるが、こんなアバウトな説明でどこまで想像できるかな…?
ご想像に任せるが、畳の床は指定する。
そこは譲れねえ

「ところで弟君」

「なんだい姉」

「こんな青空お昼な今の状況、する事といえばなんだい?」

「そりゃ、なあ?」

「うむ!」
「ゲームしよう!」

「なん…だと…」


姉と俺は二歳も歳が離れているハズだが、姉が言うには二歳程度だそうだ。

そんな姉は姉には見えず、身長も俺の胸辺りまでしかない。

だが態度はデカイ。

「今日やるゲームはこれだよ!、メタル○ア!」

「一人用じゃないか!、しかも初代じゃないか!」

「そうなの(´・ω・`)?」

「実はそうだよ!」

我が家には親が居ない。
仕事で、とか
男女の事情、とか
そうでもなく居ない。

他人に言うと、申し訳なさそうにされるが
正直うざい。

弟な俺からすれば、別に大した事ではないのだが

それ以上に、気になって思考がまとまらないデンジャラスな光景をご説明したい。

「えっと…なあ…弟君…、実は言いにくい相談をしたいんだ…」

姉の背後に言いにくい相談がざっと見て10匹は見える。
我が家の大黒柱に我が物顔で爪とぎをする相談達。

「ちょっとしたサプライズというか、隠してたというか…」

隠せてねえよ。

「実は」

「返してきなさい」

「!?」

「猫を飼うとかのレベルじゃない、猫屋敷にするつもりか」

「なんで分かるの…?、エスパー!?」

隠せてないってレベルではない。
フリーダムだフリーダム。

「というか勘弁してください」

ガリガリガリガリ
背後で荒れ狂う猫。
今日1日だけで我が家の大黒柱が痩せ細る気がした。