颯の甘い声が耳元で響き僕は震えた。
「どーした?風邪でもひいたのか?」
僕の体が一瞬震えたのを目敏く見つけた颯。
「……………………なんでもない」
颯はこーゆーのを無意識でやってるからタチが悪い。
「んで?何やってたんだよ」
「んー…誰にも言わない?」
「あぁ」
言っていいものかどうか悩んだが、言わないと颯はきっと納得しないであろうことが目に見えた。
「友達の彼氏のフリ」
「は?」
「えーとね…」
僕は、美雨の個人情報はぼかして、全てを話した。
「……へぇ…そーだったんだ」
「だからわざとじゃないんだよ」
「まぁいいや。バス来たし行くか」
「そーだな」
僕は少し気を引き締めて学校へむかった。