駅の書店で本を見ていると、後ろからタックルをくらった。
「…危ないよ?美雨」
振り返らずして正体を見破られた美雨はふくれっくらをしていた。
「むー…なんで碧はいつもすぐ当てちゃうのー?」
面白くないなぁ〜…と呟いている美雨に僕は苦笑いした。
「僕は美雨が知ってる以上に美雨のことを知ってるからね」
すると美雨は少し照れたのか、僕を急かした。
「ほら、電車来ちゃうから早く行こ!」
僕は何冊か本を持ってレジにむかう。
「買ってくるから少し待ってて。」
美雨を長い間一人にしておくのは良くないため僕は急いで戻った。
しかし、僕が戻ると美雨は見知らぬ男達に囲まれていた。
「ねーちゃん一人なんだろ?俺らと遊ぼうぜ」
「あ、あの…学校があるので……」
「学校なんかサボってさ。いいから行こうよ」
そう言った男の手が美雨に伸びた。
美雨はあからさまに怯えた。
男の手が美雨を捉える前に僕は美雨を男達から隔離した。
「あっ…碧……ありがと…」