僕と颯は、【Aーエースー】に所属している。
Aは少数精鋭のためクラスが1つしかない。
クラスメイトと雑談することもなく、好きな席に座り、各自好きなことをする。
部活も入っていないため朝は暇だ。
だが時々……。
僕が席を取り鞄を置くとメールが来た。
「またか……」
メールの内容は、勉強を教えてくれ、というもの。
僕はため息をつきながら返信した。
『いつもの場所に来い』
そして、ドアの横にあるタブレットを操作し、職員室にコールした。
『用のある生徒は学年、クラス、名前を…って土御門か。また第1自習室か?』
僕は、利用率が高すぎて、教師に顔と名前を覚えられてしまい、恐縮した。
「はい。毎度毎度すみません」
『いいさ。君の指導を受けた生徒は皆、成績が急上昇してるって職員室で噂になってるんだ。』
そう言って、画面越しに先生は笑った。
じゃあ頼むぞ。そうして通信が切られた。
僕は第1自習室にむかった。