…はぁ…はぁ…はぁ。
さすがに教室まで走るのはきつくて着いた頃には、息が上がっていた。
「どーしたの?葉月?」
自分の席を探して、座ったところに彩美(あみ)がやってきた。
彩美は私の幼なじみでもあり、親友でもある。
ふわふわした女の子の彩美は結構男子からモテる。
ズバズバ言う性格だから、ちょっと困ったことになったこともある。
「気づいたらこんな時間になってて、走って来たの」
「珍しいね葉月が走ってくるなんて!」
だって、あと5分でLHRが始まるからね?
これは誰だって走ってこなきゃでしょ!
「あ、もしかして何かあった?」
「え、え?」
「なんかあったんだね!」
ふっと鼻で笑った彩美はやっぱりねという表情で私を見ていた。
「じゃ、LHR終わったら聞かせてね!」
とウインクしながら彩美は自分の席に戻って行った。