「どうした?結依顔が暗いよ?」
いつの間にか広瀬くんとは別れた
美波ちゃんが聞いてきた。
「ううん。今日1日頑張ったから
疲れちゃった。」
「そう?今日の結依すごい活躍
だもんね。」
「ありがとう。
でも、あれは、前を走ってた
えりとか広瀬くんのお陰だよ。」
「そうかな?でも十分凄かったよ」
「ありがとう。」
そんな風に話していた時、
「おい、健人!まだあの彼女と
付き合ってるのか?
早くしないとお前の好きな人
取られちゃうぞ?」
そんな声が男の子の席からしてきた。
川崎くんの声だ。
やっぱり彼女いるんだ…
しかも、その彼女はもう好きじゃなくて、他に好きな子がいるんだ…
「それはマズイな。
俺、今まででこんなに好きに
なったの初めてだもん。」
「モテる健人くんも大変でちゅねー」
「俺は、真剣に悩んでるんだぞ?
なんだその馬鹿にしたような
言い方は?」
「はいはい。ごめんって。
あの状況で別れるのも気まずさ半端 ないからまだできないんだろ?」
「まあな。
……も大変だけど周りの女達も
うるさくて。」
誰と言ってるかは分からなかった。
広瀬くんが好きなのは美波ちゃん?
彼女は誰?
川崎くんも知ってるってことは、
この学校なの?