「待たせて、悪かった。

 よし、帰るか。」


「うん!
 全然待ってないよ?
 男の子はやっぱり早いね。」


「そうか?
 椎名が遅いだけじゃない?」


「違います〜!
 待たせて、ごめんね?」


ほら、また涙目の上目遣い。
これでやられない男はいないだろ...


「大丈夫だ。待つのは嫌いだから
遅いと帰っちゃうかもな。」


「え~広瀬くんのけち。」


そうやって、
椎名はほっぺたを膨らませた。


「ウソウソ、椎名のことは
待ってあげるから拗ねんなって。」


「ありがと!」


それからも、他愛のない話をして
椎名の家まで送った。


「今日は、いろいろありがとう!
タオルは月曜日返すね!」


「俺がしたかったことだからいーの
てか、洗濯なんていいのに。」


「それはダメだよ。
私の涙でいっぱいだよ。」


「分かった。ありがとな。
じゃあまた、月曜日な。」


「うん!ありがとね。
ばいばい!」