水道で冷やしたタオルを
椎名に渡した。
「ありがとう。」
って、弱々しく言ったくせに
変に強がって、
「タオルくらい持ってる」
なんて言いだした。
そんなこと知ってるわ。
椎名は女子力高すぎるって有名だよ。
でも、ここは話題もないし気まずくならなくていいから
「初耳だなー(笑)
椎名って意外と女子力あるんだ」
なんて言ってみた。
そしたらちょっとふて腐れて
反論してきた。
そんな椎名もめっちゃ可愛い。
しばらく隣で座ってると、
「もう大丈夫。」
もう、涙が止まった笑顔の椎名が
いた。
外はもう暗くて部活もとっくに終わってる。
そんなことにも気づかない椎名は、
三島が先に帰ったことにすごく
驚いてた。そして、
ガッカリした顔だからなんか悔しくて、できる限り顔を近づけて
「俺と帰るのが、そんなに嫌?」
なんて聞いてみた。
案の定、顔を真っ赤にした椎名が
噛みながらも
「嫌じゃないよ?」
って、上目遣いで言ってきた。
やばっ...キスしたい
彼女でもないし、俺には伊藤がいる。
なんとか理性を保ち体育館に向かった