「ごめん!」


「えっ?」


「後ろに話していた人たちの声が
 聞こえて…」


「ううん…大丈夫。

 てか、広瀬くんお金!」 


「いいの。それくらい。」


「良くない!
 ちょっと、待って!」


カバンの中をあさる私。

その手を急に引っ張られた。


「俺が、平気って言ってるから
 平気なの。

 黙って食べろ!」


え、俺様(笑)

でも、ここは素直に従うべきかな?

聞く気もなさそうだし。


「ありがとう。
 いただきます♪」


「うん、召し上がれ。」


「椎名、食べんの遅い。」


「え、ごめん。

 でも、広瀬くんが
 早すぎるんでしょ?」

私は、まだ半分以上も
残っているのに対し、広瀬くんは、
もう食べ終わっていた。


「違うわ。
 椎名がノロマなだけ。」