私の怒声をよそに佐藤は前を歩く。

というか…

「ちょっ…待って。」

既に濡れてるのに傘さす意味…。

「嫌だね。柊が俺に合わせろ。」

うっわ性格悪っ!

「こんな物貰っても場所分かんないし。今使えないじゃん!」

「そっか。要らないなら返してくれていいよ。」

「人にあげたものは返してって言ったらダメって習わなかったのかなぁ?」

そうだ。一応これは私のもの。返さなくても問題ない。

「コレと交換する?」

抹茶オレの引換券。

それも最寄りのコンビニで交換出来る。

「しょうがないなぁ。」

奪うように抜き取る。

意外にもあっさり手放したので驚いた。

「猛獣のような取り方だ。」

「猛獣でも欲しいものが手に入れば何でもいいんです。」

走ってコンビニへ行った。

抹茶オレと引換券を店員さんに出して会計が終わるのを待つ。

「申し訳ございませんがこちらの引換券、利用期間が既に終了しておりお使いする事ができません。」