やはりコイツの脳内は異常だ。全くもって大丈夫なはずがない。

「じゃ、俺そんなに暇じゃないから学校行こ。」

カバンをゴソゴソと探り始めたかと思うと折りたたみ式の傘が出てきた。

「傘持ってるんかーい!」

「当たり前だろ…。女の子を雨に濡らすのは趣味じゃない。」

もしかして。

もしかしたら。

傘貸してくれるの!

いや、相合傘っていうパターンもある。

どっちだ。どっちだ!?

「ほら。早く来いよ。」

相合傘きましたー!

「手、出して。」

なになにこの急展開。

すっごくムカつくけどすっごく恥ずかしい。

「…ん。」

「おせぇよ。」

手を握られる感触がしたのに温もりは直ぐに消えた。

「それ。やるよ。」

代わりに残っていたもの。

「なにこれ…服のことは何でもお任せ堂島クリーニング…撥水加工一回無料券!?」

つまり撥水加工をして濡れないように気をつけろと。

「良かったなこれで濡れずに済むし。俺っていい奴すぎて…これからお前は佐藤様と呼ぶことだな。そうしよう。な?」

「誰がこんな物で釣られるかボケぇ!」