突然の雨。

天気予報を見ずに出てくるからこうなる。

雨の匂いとアスファルトの匂いが辺りに漂う。

ただでさえ暑くてだるいのに梅雨独特の湿度の高さが更に気分を憂鬱にさせる。

「学校サボろ。」

４時間目終わりぐらいに学校に行けばいいか。

それまで何して時間を潰そうかな。

見回すとよく行くお店ばかりで暇を潰すには飽きが来ていた。

そうだ、今日は少し歩いて離れた所に行ってみよう。

歩き続けて約50分。

街から遠のき田舎としか言いようのない田畑が広がっている。

気づくと雨は弱まり雲の間から光が差していた。

ふと街の方を見返してこんなに小さい空間で生活していたと思うと少しだけ寂しい。

と同時にその場は私に新鮮な感覚を与えた。

右に曲がった所に神社がある。

「雨宿りさせてもらおっと。」

近くまで行って見ると紫陽花が石畳に沿って沢山咲いていて、木々の隙間から溢れるような光が眩しい。

「なんだい…お前さんもお参りかい…？」