アタシは朱音先輩の顔を見ることが出来なくて。 今先輩がどんな顔をして、どんな気持ちで、何を思ってるかなんて、読み取ることができない。 肌寒い風が、アタシの火照った体にあたる。 汗ばんだ手が、風になびかれてスースーする。 何も言葉を発さない先輩に不安ばかりが募っていく。