「れのんがうらやましいです。同じ絵を描いたのに、私じゃなくって、れのんが賞をもらったのなら、れのんの絵の方が魅力があったってことだから……」
さらさらと直感的に思ったことが言葉になる。
私、こういうこと思ってたんだ……。
自分で言ったくせに、自分で驚く。
選ばれなかったのは、私のせいじゃない。
選んだ審査員が悪いんじゃない。
れのんのが技術があっただけ。
プラス思考で考えてみるけど……でも、やっぱり……。
「私も……賞とりたかったです……」
悔しい。
悔しい、悔しい。
悲しいや、怒りとは違った感情がふつふつと沸き上がってくる。