いつもと変わらない朝。カーテンの隙間から光が入ってくる。
『んー…朝か…』
「『んー…朝か…』じゃねぇよ!遅ぇよ!」
『わあ!!タイガ!いたの!?』
「もう30分前からいますけど?何っ回も起こしましたけど?」
『ごっめ~ん…』
「…ったく、ほんとお前一回寝たらなかなか起きないよなー」
『ほんとごめんて…。毎日大変だったらもういいよ…?』
「…ばーか。オレがしたくてしてんだからいいんだよ。
 じゃあオレ下行ってるからはやく準備してこいよ」
『…うん!』
好きな人が朝家に来てくれて、好きな人が起こしてくれて、目覚めて1番に飛び込んで来る好きな人の顔。それが私の日常。
なんて幸せなんだろう。世界一の幸せ者と豪語したいくらい。
1年生のときにに同じクラスになって出会ったタイガ。あんまり話したりしなかった私達だけど、きっかけは夏。
席が隣同士になってから、私達が仲良くなるまでそう時間はかからなかった。授業中におしゃべりして怒られたり、
毎日らいんで夜通ししゃべっていた。タイガとだったらなんでも楽しく感じて、いつしかそれは恋心へと変わっていた。
タイガも同じ気持ちだったらいいな、なんて思っていたら終業式の日にタイガから花火大会デートのお誘いがあった。
いざ浴衣を着て花火大会デートに臨むと…なんと告白。やたらとんとん拍子にことが進むもんだから最初はどっきりかと
思ってしまった。でもタイガの真剣な顔を見てたら騙されてもいいと思った。こいつが大好きだって思った。
ゴールインしてからもうすぐ1年になるがタイガはいつも優しい。倦怠期のけの字もなかったし、ケンカもほとんどしない。