「…諦めるなんて、当分無理だと思いますけど」

「・・・何?」


「片思い位ならいいですよね?」

そう言ってニコッと笑った坂下君。
修は眉をピクリと動かした。


「それじゃあ俺は二次会に行かなきゃなんで・・・大谷さん」

「・・・あ?」

「安心しきってると、持ってかれちゃいますよ」

そう言うと、坂下君は、その場を後にした。


「…おい、藍子」
「・・・く~」

「・・・・」
「・・大谷しゃん・・・すき・・・」


「…バカ」

お姫様抱っこされてるおかげか、私は夢の中で、修に告白をしていた。
修は困ったように笑って、私のおでこを軽く叩く。

私は、目を瞑ったまま、眉間にしわを寄せた。


「そんな可愛い事言ってると、今すぐ襲うぞ」
なんて寝てる私に言う始末。

でも私は何も知らないまま、夢の中。

修はそんな私を抱き直して、マンションの中に入っていった。