その返事を聞いた坂下君は困ったように笑った。

「酔ってない時に、改めて告白するよ」

「・・・ん?」

「それは一生無理じゃないか?」

「・・・」

私は坂下君とは別の方に引っ張られ、ふわっと宙に浮かび上がった。

坂下君は驚き、黙り込む。

「酔っぱらいの世話お疲れさん」

「…大谷さん、何で」

坂下君は相変わらず驚きの眼差しで修を見る。


「ん?だって、ここ俺ん家」

「・・え?!」

「コイツ、俺の女だから、…だから告白なんてもう二度とさせない」

「矢沢さんの彼氏って、大谷さん、だったんですか?」

「そ、だから、お前に勝ち目はない」

「何で言い切れるんですか?」

「…俺だから?」

真顔でそう言い放った修。…イケメンは言う事が違う。


「参ったな…本当に、勝てそうにないですよ」
そう言って苦笑いした坂下君。

・・・仕事が出来て大人で、顔もいい。長身だしスタイルも抜群。
それとは真逆な坂下君。

勝てるとすれば、好きな子に意地悪をしないくらいか?

「…だろ?…だからコイツの事は諦めなさい」

・・・だろ?って。
きっと起きてたら突っ込んでいたであろう言葉。