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打ち上げを始めて1時間。
待てど暮らせど、修は姿を現さない。

私は、なんだか寂しくて、ハイピッチでお酒を飲んでいた。

「大谷さん、遅いわね・・・て、矢沢さん飲みすぎ」

「…へ?・・・そんな事ないですよ、私、こう見えても、お酒には強いんです」

そう言ってニコッと笑った私。
…本当かしらと、私を心配そうに見つめる泉さん。


「大丈夫、今日はお祝いなんですから、呑めるだけ飲んじゃいなよ、矢沢さん。
オレが送っていくし」

そう言って新たなお酒を私に手渡した坂下君。
流石坂下君、ありがたいお言葉。

「ありがとう、今夜のお酒はまた格別」
なんて言いながら、お酒を飲んでいく。

…そして更に1時間後。

心配していた泉さんの言葉が的中し、私は酔っ払いに。

「もう、だから言わんこっちゃない」
そう言ってあきれ顔の泉さん。

「二次会の店は押さえてありますから、矢沢さん送ったら、そちらに行きます」
私を支えながらそう言った坂下君。

「ゴメンお願いね・・・あ、でも!
間違っても寝込みを襲わないでよね!」

鈴木さんが坂下君に念押しする。
坂下君は苦笑いする。

「どれだけ信用ないんですか?ちゃんと送り届けるだけですよ」
そう言うと、待たせていたタクシーに私を乗せた。

・・・・。

「矢沢さん着きましたよ…矢沢さん、起きてください」

「・・・ん?・・・う~ん」

もう、完璧に出来あがってる私は起きそうにない。
それでも何とかタクシーから降ろした坂下君はマンションに向かって歩き出した。


「…矢沢さん」

「・・・ん~」

「俺の彼女にはなれませんよね?」

「…ダメよ~…ダメ…ダメ」

酔っぱらいでも一応返事はする。