「…俺の女に何してやがる、エロオヤジ」

大久保よりはるかに背の高い、私の彼氏。

私に延びるはずの手をグッと掴んでいる私の大好きな彼氏。


「この手を離せ」

若干震えた声でそう言った大久保。


「セクハラもいい所だな・・・大久保さん?」

そう言って微笑んだ次の瞬間、私の彼氏、修は、大久保を力一杯殴り飛ばした。


「暴力なんて…クビにしてやる」

「…どっちがクビになるかなんて、明白ですよね?」

相変わらず微笑んでいる修だが、目は全く笑っていない。


それが恐ろしくなったんか、大久保は急いでオフィスを出ていった。

…私はと言えば、一気に力が抜けてその場に座り込んだ。


「おい、大丈夫か?」

修は、私をそっと立たせると、自分の腕の中にすっぽりと私を包み込んだ。


「…怖かった」

「…悪かった、遅くなって」

優しい言葉が降ってくる。

「やられちゃうかと思いました」

「…俺もまだなのにさせるか」

「?!」

その言葉に驚く。

修はフッと笑って、私の頭を優しく撫でた。

「お前から目が離せないな・・・

お前といると、ヒヤヒヤされっぱなしだ。

どんだけお前の事好きなんだよって、自分を突っ込みたくなるくらいだ」

と言って、苦笑いした。