「大谷修」

「・・・はい?」

オオタニシュウ?私は彬に顔を向ける。


「そいつの名前」

「・・・あ、あぁ」

指差されたのは、私をトロそうだと言った先輩。


「あんま、喋らない・‥って言うか、

口開けば、毒しか吐かない奴だから、必要最低限の会話だけ

やった方がいい」


「・・・・」

彬の言葉に、思わず絶句する。



「そのうち、泣かされるから」

それだけ言うと、足りない資料を、さっきの資料室に取りに行ってしまった。


…部長の席は端の方だし、航希の席も遠い。

彬はいなくなってしまうし、今私のすぐ近くには、

毒舌の修しかいない。


どんどんテンションが下がる中、


「やっぱ、アンタってとろいな。さっさと仕事すれば?」

「・・・・」

また毒を吐かれ、テンションは一気に降下したのは、言うまでもない。


私の想い描いた楽しいオフィスライフを返して。

そう言いたくて仕方がなかった。