がっくり肩を落とす私を、修は抱き寄せた。

不意を突かれた私は、目をパチクリさせる。

「オフィスに入った途端、2人が手を握り合ってたら、

そりゃあ誰だってムッとするだろ?」


「・・・ヤキモチ、ですか?」

そう呟くと、修は、少し恥ずかしそうに笑った。

・・・その笑顔、可愛すぎて反則です。


「次に、俺以外の男に触れらてるところ見たら、別れる」

「エ?!何でそんな事に?不可抗力でもですか?」

「当たり前」

「そんな~・・・」

半泣きになる私を見て、修は可笑しそうに笑う。

…この人はズルい、自分の虜になってる事知っててそんな事を言う。


「…嘘だよ」

…チュ。

リップ音を鳴らして、軽く小鳥なようなキスをした。


「そんなことする前に、相手の男を殴る方が先」

「…怖い」

「…バカ」

ペシッとおでこを叩かれ、咄嗟に手で抑える。


「…1人ライバルが減って、せいせいした・・・。

部長、ああ見えて、手が早そうだったから」

そう言った修は、私をギュッと抱きしめた。


…何はともあれ、修に誤解されたんじゃなくてよかった。

そう思わずにはいられなかった。