「矢沢、これコピー頼む」

「あ、はい」

仕事中。修に頼まれそれを受け取った。

その書類には、付箋がはられていた。


『午後から出ないといけないから、帰りは会社の近くにある、

タイムって喫茶店で待ってろ』


・・・まるで、デートの誘いのようだ。

なんて考えてたら、一気に顔が赤くなる。

・・・その顔を、修に見られてしまった。


「…なんて顔してんだ?」

「…なんでもありません」

そう言って足早にコピーに向かう。

はぁ・・・やっぱりダメだ。

変な事を考えすぎだ。


・・・修は、厚意で私を住まわせてくれてるだけなんだから、

変な事を考えるのはよそう。

コピーの終わった書類の束を修に手渡した。


「これ、書類です」

「あぁ・・・あの件頼んだぞ」

「・・・はい」

・・・あの件とは、付箋に書かれた事だろう。私は頷いて返事した。