「聞いてた? 俺に何て言ってほしいの?」
「……き、聞いてたけど」
「うん」
「私は、……ただ阿久津の本心が知りたいだけだよ」
これからもずっと付き合っていきたいと思うから。
たとえその答えがどんなに酷いものだったとしても、私は、阿久津とちゃんと根っこからの信頼関係を築いていきたい、と、思ってるし。
そして一緒に過ごしたこの1年間は、そうであったと信じてる。
ただの気の迷いだった、とか、誰でもよかったとか、そういう最低な答えだったとしても、許す努力はしたいと思ってる。
ただ、謝ってさえくれれば。反省さえしてくれれば。
阿久津が、まだ私と友達でいたいと言ってくれさえ、すれば。
何か祈るような気持ちを持って、そっと彼から顔をそらした。
「……辻野」
「うん」
「ごめん」
「……うん」
――私が考えていた通りの言葉だった。
そう言われると思ってた。