だってしょうがなくない!?


どう考えても阿久津が悪くない!?




「別に俺も、誰にでもああいうのするわけじゃないんですけど」


「でもめっちゃ慣れてる風でしたやん……!」


「まあ辻野よりは」


「と、とにかく、軽い気持ちでやめてよ……!」




早口で捲し立てれば、それまで涼しい顔で受け答えしていた小憎い青年は怪訝そうに眉根を寄せた。



いつまでこんな話をしていなきゃいけないんだ。


しかも阿久津の家の目の前で。ザ・住宅街で。



……帰りたくなってきた。公園から大人しく家に戻ってれば、またこんな喧嘩みたいにならずに済んだのに。


ていうか仲直りのために呼び出したのに。せっかく和解できたと思ってたのに。




「辻野」


「……」


「軽い気持ちじゃないよ」


「……」


「軽い気持ちでしてない」




阿久津は言ってることが矛盾してる。