「沖縄のご飯、楽しみだな!」


あたしがそう言うと、晴斗は笑ってくれた。


「只今戻りました~」


晴斗はあの綺麗な女の人に声をかける。


「けーたんなー」


女の人の言葉にあたしが首を傾げると、


「お帰りって意味」


すかさず晴斗が教えてくれた。


「ほうほう」

 
「あら、お帰りなさい幸。ごめんなさいね?連れて帰ってきてくれたの?」


ちょうど入り口に来たお母さんが、晴斗に目を向けた。


「ゆ、き?」


その時、晴斗が小さく呟く声が聞こえた。


「ゆきって、あたしのこと。幸美で、幸」


あたしがそう言うと、


「え?うん。あぁ、そっか」


と、意味不明な言葉を言った。


「晴斗君、大丈夫?」


お母さんまで心配そうな顔をする。