そしてにやっと笑うと、足でボールを浮かせ、正確にあたしの足下へ落とした。


「少しびっくりしただけだ」


そう言ってあたしの方へやってくる。


「晩飯の時間だ。宿に戻るぞ」


「呼びに来てくれたの?」


あたしが聞くと、


「仕事だよ」


と、面倒くさそうに答えた。


あたしはボールを宙に浮かせ、手に持った。


二人で宿への道を歩く。


「君は、何て言う名前なの?」 


「青山晴斗」


「晴斗かぁ~、宜しくね!」


あたしがそう言うと、


「いきなり呼び捨てかよ」


って笑われた。


「あぁ、ごめんごめん。サッカー部は、呼び捨てじゃないと面倒くさいから、皆呼び捨てなの。それが出ちゃったかな。宜しくね。晴斗君」