「え、でも晴斗、あんなに嫌がって……」


「……なんか、お前になら、話してもいいんじゃないかって。話す事でどうにもらなないかもしれないけど、何かが変わればいいなって思って」


俯きながら言葉を紡ぐ晴斗。


晴斗が自分から話したいって言ってくれた。


それならあたしは。


「聞くよ。晴斗の事、知りたい。晴斗の口から、聞きたい」


じっと晴斗を見つめる。


すると、こわばっていた晴斗顔が和らいだ。


「ありがとう」


そして晴斗は広がる海を見つめ、ポツリポツリと、話し始めた。


「俺は、『ユキ』が嫌いなんだ」