辺りを見渡すと、宿を出てすぐの畑に、晴斗がいた。 「沖縄舐めんなよ」 「晴斗……?」 「俺以外に誰が見える?」 あ〜あ、また晴斗の皮肉。 「晴斗しか、見えない」 そう。 君しか。 「だよな」 晴斗は、明るく笑った。 「何してたの?」 野菜を籠に積んで歩く晴斗に聞く。 「飯に使う野菜を採ってたの。みりゃ分かるだろ」 「そりゃそうか」 隣を歩きながら野菜を見た。