「まず私が抱っこして、次に幸司さんが。その次は、あんなに反対していたお父さんが泣きながら抱っこしたの」


幸のおじいちゃんの顔なんて知らないけど、幸せそうな光景が頭に浮かんだ。


「名前は、幸司さんが絶対『ユキ』を入れたいって言って、そのくせそのまま『雪』というのもつまらないなんて言って。結局、幸司さんの『幸司』から一文字、私の『里美』から一文字取って、『幸美』になったの」


「そうだったんですね。素敵な名前になりましたね」