「お願いします。お願いします。って何度も何度も頭を下げて、私の両親は折れてくれた」
幸のお母さんはふうと溜息をつき髪の毛をかきあげた。
「けど大変なのはその後よね。幸司さんのご両親とは話が付いてないし、子供を身ごもったまま高校に通うのも難しいし」
「問題はたくさん」と首をすくめるこの人は、いったいどのようにその後を過ごしたのか。
「私は親が校長先生と話をしてくれて、退学にはならなくて、そのまま通えることになったの。けど幸司さんは…親に、勘当された…」
「勘当って…」
「縁を切られちゃったのよ」
メニュー
メニュー
この作品の感想を3つまで選択できます。
読み込み中…