「お願いします。お願いします。って何度も何度も頭を下げて、私の両親は折れてくれた」


幸のお母さんはふうと溜息をつき髪の毛をかきあげた。


「けど大変なのはその後よね。幸司さんのご両親とは話が付いてないし、子供を身ごもったまま高校に通うのも難しいし」


「問題はたくさん」と首をすくめるこの人は、いったいどのようにその後を過ごしたのか。


「私は親が校長先生と話をしてくれて、退学にはならなくて、そのまま通えることになったの。けど幸司さんは…親に、勘当された…」


「勘当って…」


「縁を切られちゃったのよ」