そろそろ受験生の自覚がわき始めた10月。


放課後の教室。
ここにいるのは私、雨宮奈々と月島陸の二人だけ。


帰る前に陸から「伝えたいことがあるから放課後待ってて」と言われて待っていた。


二人とも無言のまま時間だけが過ぎていく。


ついに陸が口を開いた。恥ずかしがりやなのに私の目をしっかり見て


「こないだの告白は気持ちを伝えただけだったけど、おれはやっぱり雨宮と付き合いたい。」

目を逸らすことなくはっきりそう言った。