その人は口角を微かにあげて目を細めて私を見る

「菊瀬...龍」

そう言って私の目の前に右手を差し出す

その手に応えるように右手を差し出した

「んじゃぁ...送ってく」

すっと立ち上がり私に背を向け玄関に向かって歩いていく

...あの家に帰るの...

嫌だ...

「いやだ...」