「あぁ、どうも。」

若い男の人が出た。

どうやら瑞貴のお兄さんらしい。

「こんにちは。お世話になります。」

「母さん、有莉ちゃん来たよー」

「はーい。今行く」

そう言って、奥から美人な
女の人が出てきた。

年齢は40代前半くらいでとても若々しい。

「あら、あなたが有莉さんね。」

「はい。川口有莉です。
よろしくお願いします。」

「中、入って」

そう言ってスリッパを出した。

「ありがとうございます。」

長い廊下を歩いて
突き当たりの部屋のドアを開けた。

「ここがあなたの部屋よ。」

広めで綺麗な部屋だった。

「はい。ありがとうございます。」

「そんな固くならないで。
あなたはもう、私たちの家族なのよ。
それにね、私、ずっと女の子が欲しかったの。
女の子にしか頼めないこととか
させられないことって
いっぱいあるでしょ?」

「はい…」

「だからね、来てくれてありがとう。」

「いえ。こちらこそ…」

すごくいい人そうな感じがした。