「キスして良いよね?」

「ええっ!!!?それは――!」


先輩は、止める間もなく私の頬にキスをした――。


「先輩っ!!」


グイッと、身体を引き離したのが、自分じゃない事に気づく。

今、私が居るのは、理玖の腕の中……。



「このタラシが!!」

「それが兄貴に言う台詞か?その前にどうしてそんなにムキになんの?」

「……ダチだからだろ」

「本当にそうか?」

「それ以外に何があんだよ」


「ったく、仕方ねえな。お前って、そういう分野、超不得意だし。だけど、うかうかしてたら取られるかもよ?」

「何、勘違いしてるか知らねえけど、取る、取られるとか、そんなのねえよ。それにコイツは男だぞ。校内でそんな事あり得るかよ」