恭平と理玖が見つめる中、先輩はクスッと笑って、耳打ちした。
『ねえ。せっかくだから、良いこと教えてあげよっか?』
どうせろくなことじゃない、と、首を振りかけた時、想像もしていなかった言葉が飛び込んできた。
『理玖は、きっと、君の事が好きだよ』
どういう意味!?
頭が真っ白になる。
「兄貴、いい加減にしとけよ。ほかにどんだけ女作ろうが関係ねえけど、俺の友達にまで手ぇ出すんじゃねえよ。それにソイツは男だぞ」
「甘いね、理玖。欲しいと思ったモノは手に入れろ。そう言ったの忘れたか?男でも女でも同じなんだよ。勿論、ライバルが兄弟や友達だったとしても、タイミングを一つ逃せば、絶対後で後悔する」
「……」