あのダサ子先生が桜御先生の彼女かあ。

人って分かんないもんだな。

化粧で変わるって言ってたけど、ある意味、私が男装してるのと同じ?


そんな事を考えながら、廊下を歩いていると、目の前から歩いて来る人の姿に足を止めた。


あれは、まさしく理玖のお兄ちゃん!

何でまたこんな時に会うのよ。


私に気づいたのか、ヒラヒラと、手を振った俊先輩は、逃げる間もなく寄って来た。


「偶然だね。"美夜ちゃん"」

「"ちゃん"。って、言うのはやめて下さい。俺は男です」

「細かい事は気にすんなって」


このタラシ野郎めー!


「今日は私服なんだ?学校は?」

「具合が悪くて休んだんです」

「それなのに校内に?まさかのサボリかなあ?」