茗が言うことは満更嘘ではない。

私達は性別こそ違うものの、見た目はまるで姉妹のよう、と、言われる時期もあった。とは言え、それはもうずっと昔のことで…。


いつの間にか背の高さも違っちゃって、茗の声はハスキーになってる。

背は理由をつければ良いけど、声は騙せないし。って、私、何、男子校に行くこと考えてるの!?

まず、性別ムリじゃん!!



「ダメだよ、茗。こればっかりは」

「……」

「茗?」

「……ぐれてやる」

「えっ?」


椅子をひっくり返し、外に飛び出した茗は、その夜、帰って来ることはなかった。