「茗、買い物ついでにラーメンも買っといたから」
「おお。それよりお前、さっき理玖に貸しておいた金、ちゃんと返せよ」
「覚えてた?」
「当たり前だろ」
「ラーメンで見逃してよ」
「やだね」
「ケチー」
渋々財布を出した私は、茗にお金を渡した。
「茗、美夜。そろそろ食おうぜ。せっかくのハンバーグが冷めちまう。理玖、そこのジュース取ってくんない?」
テーブルを囲んだ私達は、寮生活初の夕食を食べ始めた。
「ここの飯、意外にいけるな。正直、期待してなかったけど……」
理玖の言葉に共感しつつ、いつも通り苦手な人参を私のお皿に乗せていく茗をチラッと睨んだ。
「これも美夜の為。成長期、成長期」
「……」
まっ、いいや。
この借りは、また、テスト前のノートのコピーで返してもらおうっと。