部屋に帰ると、茗と恭平が既に学食を待って来てくれていた。
「ただいま」
「遅かったじゃねえか。寄り道してたんじゃねえの?」
カレーの匂いが残ってるのか、クンクンと臭いをかいだ恭平は、「土産」と、言わんばかりに手を出した。
「残念だけど、土産はねーよ。近くの揚げ物屋でコロッケ食って来たけどな」
「何で買って来なかったんだよ」
「一人一つの学生半額だから」
チェッと、口を鳴らした恭平は、理玖と私の買い物袋を受け取った。
部屋の中も特に変わった様子はない。
片付けかけてた荷物も大丈夫そう。
安心した私は、袋をひろげる茗の側に寄った。