「見ない顔だね。新入生って所かい?ちょうど今、揚げたてのがあるよ」
「グッドタイミングだったな、理玖。叔母さん、それ二つ」
「あー、待って。俺、カレーコロッケにするわ。叔母さん、それもある?」
「あるよ」
理玖の奴、ちゃっかりチェックしてる。
自分だけカレーコロッケ選んじゃって。
「何?お前もカレーコロッケにする?」
「いい。俺は、普通のコロッケを食うつもりだったの」
「あっそ。それじゃあ、叔母さん。普通のコロッケとカレーコロッケ、一つずつ」
「熱いから気を付けて食べるんだよ」
にこやかに笑った叔母さんは、私達にコロッケを渡すと、また忙しそうに唐揚げを揚げていた。
それにしても、ふんわりと漂うカレーの香りが気になって仕方ない。