お日様が西の空に傾き出してる。

しかし、「今日という日はまだまだこれから」と、言わんばかりに、頭上には優しい青空が広がっていた。



「理玖。荷物重くない?」

「気にすんなってば。店の中ではお前がかご持ってたわけだし。だから、そっちの食い物持って」

「サンキュー」


軽々とペットボトルや牛乳の入った袋を持った理玖は、スナック菓子と食べ物が入った袋を私に持つ様促した。


「ところでさ、さっき聞こうと思ったんだけど、あの寮の廊下で会ったのって」

「ああ、兄貴のこと?」

「うん、何て名前?」

「俊(スグル)」

「カッコいい兄貴だな。ちょっと変わってるっぽいけど」

「……タラシだからな」

「タラシ?」