「どうも、ご丁寧なことで」
ジーと、チャックを上げた先生は、教室の中を見渡し、うっすらと笑みをこぼした。
「どうやら一番前の特等席は決まったようだな。これから毎日、俺のズボンと俺の下着が拝めるようにな。俺からの優しさを喜んで受けとりやがれ」
「……」
一瞬にして静まり返った教室では、ふいっと顔を背ける生徒の姿がちらほら見える。
たった一言の冗談が仇となったクラスメイトを哀れに思いながら、私は先生の後を追った。
「先生、どこに行くんですか?」
って、ヤバイ。さっそく先生の名前忘れちゃった。桜御先生……で、いいかな。
でも、もし、怒らせちゃったら?