カチカチカチ……

リビングに響く時計の音


どんよりとした空気が、中嶋家をおおっている。


そんな中、重い口を開いたのは叔父さんだった。


「バカが」

「……」

「あなた、今更どうこう言っても仕方ないじゃありませんか」


なだめる様に微笑んだ叔母さんの頬が、どう見てもひきつっているのが見て取れる。


成績優秀、クラスでも常にトップだった茗が、受験に失敗するなんて。


「ねえ、茗。何か理由があったの?」

「実は答えをずらして書いたっぽくて……」


ははっ。そういうこと。

問題はスラスラ解けたものの、うっかりミスで、自ら落とし穴にはまったってこと、か。