「ああ、中学の時のな……」
もしかして、恭平が言ってた、女の子?
「文化祭の話をしたら、同じ学校だったって懐かしがってました」
「そう」
「せっかくだし、四人で遊びませんか?晴香もすごく会いたがってます。そうすれば、私も、中嶋君と遊べて嬉しいし」
この子の狙いは最初から、理玖とその子を引き合わせる事だったんだ。
朝野さんの告白はその為の演技。
そして、それを仕組んだのは、おそらく、晴香さんという人――。
手にしたクッキーが、パリッと小さく音を立てた。
「理玖?……どうする?」
行きたくない。でも、そんな事、言えない。