「どうかしたか?」

「あー、と......その」


私が手に持っている便箋とクッキーに気付いた理玖は、そういうことね・・・と、勘付いたようだった。


「お邪魔さま。先行ってるぞ」

「あっ、待てよ。もう俺も行くから。朝野さん、本当に悪いけど、今、俺、本当に誰とも付き合う気ないんだ。だから、そんな一日遊んだって気持ちなんて変わらないと思うし」

「……そっか、そうですよね」


申し訳なく思いつつも、ホッと胸を撫で下ろす。


「じゃあ、俺、行くね」

「ま、待ってっ!!」


私が足を進めようとした時、再び朝野さんが呼びかけて来た。