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「美夜、いつまでも髪いじってないでそろそろ学校行くぞ」
「でも、まだ髪が」
「はあ?この間言っただろうが。お前がそうして遅れると俺が桜御に煩く言われんだよ」
「だってえ」
「だー!いいから早くしろ、行くぞ!」
「……」
はあ。いくら男装とはいえ、一応は同じ校内に彼氏ができたわけで、朝っぱらから寝癖とか嫌なんだけど。
だけど、茗には……この事、正直に話した方がいいのかな?
茗がどんなに私を思ってくれても、結ばれる事は出来ない、それは現実。
そんな事を考えていると、寮の前に見覚えのある女の子が立っていた。