「恭平の奴、変な気遣いやがって」


小さなため息と共に、呟いた理玖は、ポンと、私の頭に手を載せた。


「素直じゃないよな、アイツも……」

「それって?」


ドアに目を向けたままの理玖は、なかなか返事をかえしてくれる様子がない。


「理玖?」

「……ああ。俺から言うのもどうかって思うけど、……多分、アイツもお前が好きなんじゃねえかな」


!!!

理玖、恭平の気持ち、気づいてたの!?

でも、どうして?

確かに恭平は私を好きだって言ってくれてたけど、その事は理玖は知らないし。

そもそも恭平は、理玖と違って私を男だって思ってるはずなのに、そんな事考えるなんて、何か、理由でも?