「別にそんなんじゃねーよ」
「ははっ、まあいいや。何だかんだ言っても理玖は優しいとこあるしな。長年友達やってる俺が言うんだから間違いねえよ」
「そうだな」
「まあ、よかったんじゃねえの?男とか女とか、どこに惹かれようが。ってか、好きになるタイミングなんて本当は、"いつとか、どことか"、誰も分かんないのかも知んないし」
何か、理玖と似たような事言ってる。
「うまく言えねえけどさ、自分の事好きだって言ってくれて、そいつといる方が絶対幸せなのに、少し遠くにいる奴の方が気になったりする事ってあるんだよな。何でかな」
恋愛授業の教師ような恭平に、理玖が一声、声を掛けた。
「……恭平、お前って」
「何だよ」