「話しやすい事か。じゃあ、美夜が、今、したい事とか欲しいモノとかある?」

「したい事は、今はただ、皆といれたらそれで良いかも。欲しいモノは新しい服かな。家で着るやつ、ずっと買ってないから」


実のところ、欲しいのは"彼氏で、今、目の前にいる人"と、言いたかったが、さすがにそれだけはやめておいた。

恋人カフェと言えど、本当に好きな人を目の前にそんな事言えないしね。


「理玖は?欲しいモノとかあるわけ?」

「……ああ。あるにあるけど」

「どんなモノ?」

「俺の場合、モノっていうのとはちょっと違ってるかもな」

「へえ、何々?」

「……」


教室に夕日が射し込んだせいか、一瞬眩しそうな顔をした理玖の顔が、何だか少し躊躇った様にも見えた。


「渋ってないでおしえろよ」