「んじゃ、俺、行くわ。片付け頑張れよな」
「待てよ」
「ん?」
「この椅子片付けるの手伝ってくれたら、そのゴミ、持ってってやるよ」
「これくらい別に……」
「その手、"重くて限界です"って、言ってる様に見えるけどな」
う……。
「し、仕方ねえな。理玖一人に片付けさせるのもあれだし、手伝ってやるよ」
「素直じゃねえやつ」
「何か言ったか?」
「いや、別に」
「あのな、言っとくけど、俺はこれがただのゴミだから持てないだけで、スッゲー宝とかなら、どんなに引きずっても持ってけるし」
「分かったから。そこ片付けて」
私の声を聞き流した理玖は、次々と椅子を片付けだした。